餓死者急増!・経済縮小が国民の生命を奪う・公務員給与削減反対!消費税増税反対!TPP参加反対!デフレ期での緊縮財政は更なる経済縮小を引き起こす・長期のデフレ誘導政策が国民を苦しめた・政治の責任は極めて重い。

餓死者、バブル崩壊後急増 セーフティーネットの不備映す

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120226/lcl12022612560000-n1.htm

さいたま市で親子3人が餓死とみられる状態で見つかった問題で、全国の餓死者はバブル崩壊後の平成7年に前年の約2.8倍の58人に急増、それ以降、高水準で推移していることが25日、分かった。22年までの30年間の餓死者数は1331人で、うち7年以降が8割以上を占めた。専門家はセーフティーネット(安全網)のあり方の見直しを呼びかけている。

厚生労働省の「人口動態統計」によると、死因が「食料の不足(餓死)」とされた死者は昭和56年から平成6年まで12〜25人だったが、7年に58人、8年には80人を突破。それ以降、22年に36人となるまで毎年40人以上で推移し、過去30年間の最高は15年の93人だった。

50代の死者が多いのも特徴だ。22年までの16年間で50代の死者数は348人、60代が252人、40代が185人に上り、40〜60代で全体(1084人)の72%を占めた。男女比は30年間で男性が女性の約4.5倍と圧倒的に多かった。

死亡場所は「家(庭)」が多く、59〜85%(7〜22年)を占める。このため、行政や地域社会のセーフティーネットから、何らかの理由でこぼれ落ちていた可能性も指摘されている。

貧困問題や生活保護に詳しい小久保哲郎弁護士は「餓死者の急増はバブル崩壊後、急速に景気が悪化した時期と重なっている。当時、雇用状況の悪化に伴ってリストラなどで失業者が増加した」と指摘する。

また、高齢者ではない「50代男性」の餓死者が多いことには、「稼働層といわれる働き手世代のうち、年齢的に再就職が難しいことから50代が突出したのではないか」と分析した。

女性よりも男性が多いことについては、「男性は自立できるはずという強い社会規範がある」とし、行政などから助けを受けることに心理的抵抗を感じている可能性があるとみている。

不況が続き、今後も餓死者が増える恐れがあることから、小久保弁護士は「労働と社会保障の仕組み全体を改善する必要がある」と話している。



▲餓死者の推移


産経新聞よりバブル崩壊以降、餓死者が急増していると言うショッキングな記事が掲載された。
グラフを見てもらえば一目瞭然なのだが、平成7年以降の餓死者数は突出しており、その傾向は平成6年以前の水準を大きく上回っている。
そして97年は橋本内閣が消費税を3%→5%に増税した年だ。
実は餓死者に限らず98年以降は自殺者も急増し、経済状況を無視した政策の遂行がいかに危険であるかを物語っている。



▲自殺者の推移


現在の日本はバブル崩壊後、長期に渡りデフレが進行し長い不景気の時代が続いている。

デフレが進行しそれが長い間続くと、企業は収益を悪化させまいと様々なコストカットやリストラを敢行する。
その影響で職を追われ、充分な給与を確保する事が難しくなった人は、生活が困窮しやがては死を選んでしまうケースが後を絶たないのだ。
ここでは死を選ぶ人の自己責任やセーフティーネットはひとまず置いておき、その原因の根幹にスポットを当ててみたい。



▲GDPと租税収入の推移


上の図を見てもらうと分かる通り、97年以降消費税増税分による税収額は高い水準に達しているが、法人税所得税は97以降上回った年はない。
これが何を意味しているかと言えば、まずは企業の収益が悪化し国民の所得は下落している事を表す。
しかし食糧にせよ何にせよ、生活必需品は購入して行かなければならないわけで、このグラフを見ただけでも国民の生活水準が悪化している事が分かる。
またバブル好景気の時に借り入れをお越し設備投資した企業は、軒並み借金返済に力を入れる。
そうなると新規設備投資は控えられる為に、設備購入や整備費による利益を受けて来た企業は業績が悪化してしまう。
結果企業の売り上げが減り、従業員の給与カットや人員削減などが行われ、これが日本全体に広がってしまうのだ。

こうした市場経済の大きな流れに対応するのには、民間企業や市場そのものでは対応する事が出来ない。
経済状況を細かく分析しベターな状態に保つにはその都度の調整が必要なのだ。
そしてその調整を唯一行えるのが日本国政府と言う事になる。

バブルが崩壊しデフレ経済が進行すると、市場では企業にしろ国民にしろ先行きの不安から自己防衛に走る。
ここでの自己防衛とは、消費を抑制し貯蓄に走ると言う事だ。
そうすると市場経済の規模はどんどん縮小してくる。
縮小して行けば企業間の競争は激化し、価格競争が起こり更なる業績悪化が進む。
結果企業はリストラを多発する為、失業率が悪化するのだ。

その為こうしたデフレ経済に突入した場合、政府としては民間が自己防衛に入って銀行に過剰に貯蓄されたお金を借りて、積極的に市場にお金を流して行かなくてはならない。
つまり国債発行です。
国債発行と言うと、借金が増えて国の財政が破綻すると言うのだが、それは完全な間違いだ。
何故かと言えば借金そのものの構造が民間と違うからだ。
簡単に説明すると、民間で借金をすると元金と利息を払う事になる。
しかし政府が国債発行(借金)すると、それは元金と利息を払うのは変わりないが、民間に投資した事でそれが民間の誰かの所得に代わりやがて税収となってその借金の一部が返ってくる。
つまり借金をしてもその借金の一部が税収となって政府の収入となり、ここが民間と違う所だ。
ただしこれには条件が必要で、その国債を日本国の民間が所持する事が条件になる。
つまり国債が国内で消費される必要があると言うわけだ。
では今の日本の国債の内訳を見てみよう。



▲日本国国債の内訳


上記の通り、日本の国債はおよそ95%が国内で消費されており、この95%の国債から税収として政府の収入に計上される。
つまり民間では元金と利息を払って収入は得られないが、政府の国債発行にはそのお金を使って市場経済に流す事によって収入が得られると言う事です。
この点をまず考慮する必要がある。

では1000兆円にも上る国債発行をしている政府の支払い能力や、日本の民間の国債購買能力はどのくらいあるのか。
これが分かればどの程度の能力を政府や民間が持っているかが分かる。

以下が、みんなの党江田憲司氏が作成したした資料


http://www.eda-k.net/20111109%E4%BA%88%E7%AE%97%E5%A7%94%E5%93%A1%E4%BC%9A%E4%BD%BF%E7%94%A8%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%AB%E2%91%A3.pdf#search=’日本の支払い能力'

1.貸借対照表   778兆円(資産)/1,135兆円(負債)=357兆円(差額)

2.個人金融資産  1,453兆円/5,572兆円(国全体)

3.対外純資産   252兆円

4.経常収支    17兆円

※2010年時点


ご覧の通り、政府の資産は778兆円あり、かつ対外純資産は252兆円もある。
そして民間の金融資産は膨大な金額を示している。
これに加え、日本は戦後類を見ない超円高
そして日銀の通貨発行数と海外の通貨発行数はご覧の通りで、圧倒的に円の発行量は少ない。



▲三大通貨のマネタリーベース


さて、話を戻しますが、要は政府は国債発行能力や通貨発行能力を有していながら、デフレ期であるにもかかわらず97年には消費税増税により民間よりお金を吸い上げ、公共事業悪玉論によって小泉内閣で公共事業を削減し、構造改革と称し規制緩和を行って価格競争に苦しんでいる民間に対し更なる競争を促した。
これをやった結果、市場経済が疲弊し企業は海外に拠点を移し失業率が高まり就職率が低下し、民間の生活水準は一気に落ちて行ってしまった。
一部小渕内閣麻生内閣が積極的な財政出動を行って、景気浮揚を図ったが、小渕首相は病気で倒れ麻生内閣はマスコミのネガティブ報道によって政権交代を余儀なくされた。
国民にとってお先真っ暗状態が長く続いては自殺者や餓死者が増えて当然である。

今、日本政府に必要な事は積極的な財政出動を行って市場経済に息を吹きかけなければならない。
しかし国会で話し合われている内容を見れば、公務員給与の削減や消費税増税による緊縮財政の議論をし、価格競争などで疲弊している企業に規制を撤廃し海外からの資本を入れやすい状態を作ろうとしている。
むしろ政府が積極的にお金を使って、かつ無用な価格競争をさけなければならないはずなのに真逆の政策を推し進めようとしているのだ。
これではますます日本経済は縮小し、国民の生活水準は落ちて行ってしまう。

これに対し、愛国保守系の西田昌司議員が次のようにビデオレターで必死の訴えを行っている。



▲公務員給与削減法案に真っ向から反対を唱える西田昌司議員


しかしながら自民党の中にもこれに賛同する議員が多数いる事に頭を抱えてしまう。
そして公務員給与削減の法案には賛成の国民が多く居る。
ハッキリと言ってこの法案にメリットがあるとすれば、公務員に対しねたみを持っている者の憂さ晴らしが出来る事ぐらいだ。

単純に公務員の給与を削減すると、公務員の消費が落ちる。
そうなればその恩恵に与っていたお店なりなんなりの業績が悪化し、更にそのお店に関連していた業者なりもあおりを受ける。
そうなると池に一石を投じた時に出来る波紋のようにその影響が広がって行く。
最終的にはこの公務員給与削減が、民間の給与所得者に影響を与える事を、賛成派の人達は気付いているのだろうか?
西田議員が言うように単なるバカですね賛成派は。

何度も言うようだが、無駄を削減する事は決して悪い事ではない。
しかしそれは国の政策として考えると、当然その時の経済状況によって手法は考えなくてはならない。
故に感情論で政策を決めて行くなど決してあってはならないのだ。
しかもこの公務員給与削減法案は、消費税増税する為に先ずは公務員が身を削らなくては・・・。
何と言うビジョンのなさなのだろうか。

自殺者や餓死者まで急増している今、政府がこれを救う手だては決してセーフティーネットなどではない。
経済的な根本的解決である豊かさを取り戻さなければならないはずだ。
個別の感情論などどうでもいい話である。
国民も個を重視した結果、最終的に自分を苦しめる事になることに早く気付いて欲しいものだ。
とにかく西田議員と同じく真に国を想う政治家に国政を任せられるような体制を作らなくてはならない。